資料作成のコツ|通らない残念な資料5つの共通点と診断士の改善策

誰でも作れる「伝わる資料」

「一生懸命作った資料なのに、上司から『で、結局何が言いたいの?』と突き返されてしまった……」

「20枚ものパワーポイントを連日深夜まで作り込んだのに、会議では最初の2枚しか読まれなかった……」

そんな、報われない努力に打ちひしがれた経験はありませんか?

私は約30年のビジネス経験の中で、数え切れないほどの事業計画書や報告書を目にし、また自らも作成してきました。

実は、「通らない資料」には、驚くほど共通したパターンがあります。

それは、作成者のスキルが低いからではありません。むしろ「真面目に、一生懸命に作ろう」とすればするほど、無意識に陥ってしまう「5つの罠」があるのです。

私自身、かつては「資料は厚ければ厚いほど、自分の努力が伝わる」と信じ込み、独りよがりの資料を作っては大失敗をしてきました。しかし、その失敗から学び、たどり着いた結論は「資料作成は引き算である」ということ、そして「A4一枚の報告書こそが、決裁者の心を動かす最強の武器になる」ということでした。下記はA4 1枚報告書について私が書きましたエントリーです。

この記事では、私が現場で見てきた「ゴミ箱に直行してしまう資料」の生々しい実態と、それを打破するための泥臭い改善策を、忖度なしでお伝えします。そんなこと、判っていますという基本的な5項目ですが、これが以外に考えられていない資料が非常に多いです。この5項目を回避する「クセ」を付けると、あなたの資料の「歩留まり(一発で通る率)」が劇的に改善するはずです。

残念1. 【枚数至上】「とりあえずパワポ」で、内容がだらだらと長くなっている

「資料作成=パワーポイントを立ち上げる」という思考停止に陥っていませんか?

現場でよく見るのは、深夜までかかって30枚のスライドを作り上げ、「これだけ書けば文句は出ないだろう」と安堵している姿です。しかし、忙しい決裁者の本音はこうです。「紙芝居じゃないんだから。。。」「これを俺に読めと言っているのか。要点だけ言ってくれないか?」

パワポは1枚あたりの情報量が少なく、ページをめくるたびに前の内容を忘れてしまう「思考の断絶」を引き起こします。枚数が多いほど、論点は霧の中に消えていくのです。

残念1:現場の改善策

あえてパワポを封印し、A4(またはA3)1枚、難しければ2~3枚で勝負してみてください。「A4に収める」という制約は、想像以上に苦しい作業です。しかし、その「何を捨て、何を残すか」と悶々と悩むプロセスこそが、あなたの思考を研ぎ澄ませます。10枚のスライドより、魂を込めた1枚、又は2~3枚のペーパーの方が、会議の決定スピードは劇的に上がります。

報告書をA4で纏める方法、事業計画書をA3で纏める方法について、下記エントリーで振れていますので、是非参考にして頂ければと思います。

残念2. 【横文字過多】「カタカナ語」や「アルファベット3文字略語」が多すぎる

「今回のDX施策のROIは、KPIの進捗次第でアサインされたメンバーがアグリーすれば……」

こんな呪文のようなカタカナ・アルファベット3文字略語のオンパレード資料、心当たりはありませんか?

本人はプロっぽくスマートに決めているつもりでも、読み手の脳内では「えーと、ROIってなんだっけ?」という翻訳作業が走り、肝心の中身を理解するリソースが奪われています。特に役員層は、こうした「業界用語の安売り」に敏感です。「言葉で煙に巻こうとしているな」と、逆に信頼を失うことさえあります。

また、「書き手と読み手の情報量のギャップ」がどうしても存在します。「書き手」は書いているテーマをもう何日も考えて触れているわけです。「読み手」は初めてこの話を聞くケースもあるわけです。「書き手」の論理で重ねられる英語、カタカナ、略語のオンパレード。。「書き手」のエゴは、本当に捨てないといけません。「読み手は初めて聞く」という心構えは、本当に重要なので、これを機に、頭に焼き付けて頂きたいと思います。

残念2:現場の改善策

「初めての人に説明しても、1回で理解してもらえるか?」を基準にしてください。

「ROI」は「投資に対してどれだけ儲かるか」、「アサイン」は「担当に任命する」と言えばいいのです。難しいことを易しく伝える「優しさ」こそが、資料における本当の知性であり、説得力の源泉です。一番厄介なのが、限定された場で使用されている「略語」です。これは、丁寧に「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」のように、説明を加えてほしいとも思います。

残念3.【結論後回】「結局、何が言いたいの?」―最後まで読まないと結論がわからない

日本のビジネス資料に多いのが、起承転結の「起」から始まり、延々と「背景」や「現状分析」が続くスタイルです。読み手は、「いつになったら本題に入るんだ?」とイライラしながら読み進めます。そして最後の一枚にようやく「結論:投資を決定したい」と出てきた頃には、読み手のエネルギーは枯渇しています。ビジネス文書は、読書感想文では無いのです。

「背景から話さないと失礼だ」という思い込みは、実は相手の時間を奪う不作法なのです。

残念3.現場の改善策

「結論から話して、叱られることはない」と心得てください。

ビジネスにおける書類に「起承転結」といった、古典的文章定理は不要です。「今回の主旨→結論→その理由」。これをベースに、必要なものを最低限組み合わせる、そのような考え方で進めていきましょう。

資料の冒頭、あるいはタイトル直下に「本資料の目的:〇〇の実施について承認を得る」と大書きしましょう。答えが先にわかれば、読み手はその後のデータを「納得するための材料」として能動的に受け取ってくれます。判断を仰ぐ相手への最大のリスペクトは、最短時間で判断させることです。

残念4. 【解釈丸投】(かいしゃくまるなげ)「事象」だけを並べて「解釈(So What?)」がなく、相手に解釈を押し付けている

「売上が前年比20%ダウンしています(グラフをドーン!)」

これを見て上司はどう思うでしょうか?「そんなの見ればわかる。で、お前はどうしたいんだ?」と、心の中で突っ込んでいます。

ネットで拾った綺麗なグラフや、社内データのコピペを並べただけの資料は、ただの「事実の陳列」です。そこにあなたの「脳みそ」が介在していなければ、資料を作る意味はありません。

残念4.現場の改善策

事実(データ・グラフ)を示したら、必ずセットで「So What?(だから何なのか?)」を書いてください。

「売上が20%下がった(事実)。これは競合A社のキャンペーンによる一時的なものだ(解釈)。だから、今は静観し、来月の新商品投入にリソースを集中すべきだ(提案)」

ここまで書いて初めて、資料は「意思決定の道具」になります。以前のエントリーでも触れているのですが、グラフの上には「解説と解釈」を文章で書いて、これをそのまま読む。これを徹底することをお伝えしています。下記エントリーに纏めておりますので、是非ご覧ください。

残念5. 【過剰装飾】(かじょうそうしょく)デザインに凝りすぎて、肝心の「論理」が透けて見えない

虹色のグラデーション、凝った影付きの図形、シャカシャカ動くアニメーション……。

デザインをいじるのは、資料作成の中で「仕事をした気になれる」一番楽しい時間かもしれません。しかし、本質的でない装飾は、論理の弱さを隠すための「粉飾」に見えてしまいます。

「フォントは何がいいかな?」「色はどっちが綺麗かな?」と悩む時間の半分でも、論理構成を練り直すことに使っていますか?

最近の私の経験・感覚ですが、下記のような一見かっこよい図解が敬遠されるケースが増えてきていると思います。

書いている本人は、エッセンスを凝縮して、「これぞ俺の真骨頂」といばって出すのですが、聞いている側からすると、核心部分が見えず、けむに巻かれているような印象を持つようです。そのようなケースを最近多く見かけます。最近「パワポ職人」という言葉が聞かれますが、これは決して誉め言葉では無く、「パワポの技術ばかりが高まっていて、実践力が無い残念な人」という意味であります。。

図解そのものを全否定するのではありませんが、過剰なビジュアル先行型ではなく、シンプルな図解を使って、伝わりやすい資料にしていきたいですね。

残念5.現場の改善策

まずは「白黒の文字だけ」で、相手を納得させられるか、これをテストしてください。

色を使うのは「強調したい1点」だけに絞る。フォントは1種類で十分。図解は、言葉だけではどうしても伝わらない時の最終手段です。派手な化粧を落としても通用する「スッピンの論理」こそが、最も強い資料なのです。

まとめ:あなたの努力を「成果」に変えるために

資料作成の真の目的は、かっこいいスライドを作ることではありません。相手の頭の中の霧を晴らし、「YES」と言ってもらうことです。

もし、今のあなたの資料が今回ご紹介した5つのどれかに当てはまっているなら、それはあなたが「一生懸命すぎる」ゆえの罠かもしれません。少しだけ肩の力を抜いて、「引き算」の意識を持つだけで、あなたの資料は劇的に「伝わる」ものに変わります。

「自分の資料、客観的に見てどうなんだろう?」

「A4一枚にまとめたいけれど、どうしても削れない……」

そんな悩みをお持ちの方は、ぜひ一度私の「資料添削サービス」を活用してみてください。

私は現在、「資料添削サービス」を通じて、実務で使える「勝てる資料」へのブラッシュアップをお手伝いしています。30年の現場経験で培った「忖度なしの視点」で、あなたの資料を「通る資料」へ変えるサポートをいたします。

下記が「資料添削サービス」についてのエントリーになりますので、是非ご一読下さい。

また、「残念な資料」については、下記のWeb記事も勉強になりますsので、是非一度ご覧になってみて下さい。

会議で総スカンを食らう「残念な資料」を、「伝わる資料」にすぐ作り直す3つの方法

残念な資料の典型パターン 結論から逃げる・抽象度の高い言葉を使う

あなたの努力が、真っ当に評価され、ビジネスの成果へと繋がることを心から応援しています!

今回もお読み頂き、有難うございました。もし気に入って頂けましたら、ぜひSNSでのシェアを宜しくお願いします。

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