このブログでは、「柔らかい経営理論」「競争優位性の研究」「サラリーマンサバイバル術」など、ノウハウ・メソッド的な内容をお届けしていますが、毎日のニュースの中で、私が気になったニュースを軽めにお届けし、皆さんの雑談のネタにして頂ければと思っております。
アシックス 林CFOの講演動画を視聴し、驚愕
世間はマラソン・ジョギングブームですね(私は全く走らないのですが。。)。かつてはランニングシューズと言えばアディダス・ナイキなどの外資メーカーが強い印象でしたが、ここに来て「アシックスが頑張っている」と小耳に挟んでいまして、また私は関西在住なのですが、アシックスの本社が神戸にあるということもあり、少し気になっておりました。そんな中、たまたま登録している日経XTECHのメールで下記の講演動画の紹介があり、無料でしたので、申し込んで、視聴してみたんです。
成長し続ける企業におけるCFOの視座:アシックス林CFOと探る経営の本質(8月27日)
最初に度肝を抜かれたのが、ここ10年での営業利益の急成長でした。直近10年間の売上・営業利益の推移を私で纏めてみました。

売上の伸びが、2015年度が4,284億円、2025年度計画が8,000億円で約1.8倍。これもすごいのですが、もっとすごいのが営業利益でして、2015年度が274億円、2025年度計画が1,360億円で約5倍。。。営業利益率は2015年度が6.4%、これもそれほど悪くないのですが、2025年度計画が17.0%。。。一体何があったのでしょうか。。。
また、グラフ見て頂けるとわかるのですが、2020年度に一度営業赤字に転落しているんですね。。ちょうどコロナの時期ですね。。ですので、2020年度からの5年間でのV字回復は、とんでもない回復になっております。。
また、株価チャートで見ると面白いのですが、10年の株価推移で見ますと、TOPIX、NYダウの上昇率をはるかに超えております。。

箱根駅伝に見る、アシックスの紆余曲折
私はマラソンを全くやらないのですが(苦笑)、マラソンや駅伝を見るのは好きで、箱根駅伝は毎年必ず見ております。そこで、「箱根駅伝のランナーで、アシックスを使っている選手はどれぐらいいるんかな」と思いまして、ネットで調べてみると、結構情報ありますね。
【箱根駅伝でのシューズ着用率 上位4社】
- 2021年度:ナイキ95.7%、アディダス1.9%、ミズノ1.4%、ニューバランス1.0%、アシックスはゼロ
- 2022年度:ナイキ73.3%、アディダス13.3%、アシックス11.4%、ミズノ0.5%
- 2023年度:ナイキ61.9%、アディダス18.1%、アシックス15.2%。プーマ3.3%
- 2024年度:ナイキ42.6%、アシックス24.8%、アディダス18.3%、プーマ8.7%
- 2025年度:アディダス36.2%、アシックス25.7%、ナイキ23.3%、プーマ11.9%

いやー。まさに群雄割拠のシューズ戦国時代!上記の表を見て頂くとわかるのですが、アシックスは2017年度のシェアNo.1など、もともとは一線級ランナーに支持されるブランドでしたが、徐々に低迷し、2020年度はついにゼロに。。ですが、ここからまたV字回復を見せています。このV字回復と、会社全体の業績急拡大は、リンクしている感じはしますよね。
アシックスの強さは何か ~ランニングへの原点回帰~
アシックスの林CFOの講演動画は、大変興味深いものがありましたが、盛んにおっしゃっていたのは、「アシックスの蓄積してきた技術が生きる、ランニングへの原点回帰」というお話でした。
現在のアシックスと言えば、ファッション性が売りの「オニヅカタイガー」が注目されています。そして「ランニングへの原点回帰」も含めて、これらはつまり「創業者の鬼塚塚喜八郎への原点回帰」ということなんだ、ということを強調されていました。

このブログでは「競争優位性の研究」と銘打って取り組んでおりますが、得てして競争優位性と言うと、新しい技術に飛びつきがちです。アシックスも新しい技術や材料を取り入れて進化しているので、新技術を否定するものではありませんが、持続性のある競争優位性というのは、実は足元に既に存在しているのかも知れない、と思い、はっとさせられた、アシックス・林CFOの講演動画でした。
「競争優位性」と「新規性」を混同してはいけない。これだと思います。誤解を恐れずにいうと、競争優位性に、新規性が必須条件ではない、と私は思います。
また、少し余談です、アシックスCEOの廣田康人さんが、大阪・関西万博で覆面ボランティアを5日間参加されたという記事が出ておりました。こういう現場重視の感覚も、V字回復の要因の一つかもですね。。
【秘話】アシックスCEOが明かした、大阪万博で“覆面ボランティア”した5日間「ベビーカーの貸し出しがダントツで大変でした」
アシックスについては、改めて掘り下げたいと思っております!
是非「オンライン無料動画セミナー」を活用しましょう
コロナ禍をきっかけに、オンラインで無料の動画セミナーが圧倒的に増えました。コロナ前は、こういうセミナーは会場に行かないと聞けないものがほとんどで、また東京で開催されるものも多く、地方在住者にが参加するにはハードルが高いものでした。
私は今「週一回は必ず何かを動画視聴しよう」と誓い、動画視聴をしています。倍速などもありますので、所要時間は10~15分ぐらいかもしれません。ここで得た知識が頭の片隅に残っていて、仕事で幹部との会話の中で活かすことができたこともあったりします。結構てがるに始められますので、お勧めさせて頂きます!
今回もお読み頂き、有難うございました。もし気に入って頂けましたら、是非SNSでのシェアを宜しくお願いします!
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