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「ポケモンGO」買収の米スコープリー、日本でM&A視野 (日本経済新聞 朝刊 2025年6月11日)
「ポケモンGO」は米国ゲーム会社のゲーム
皆さんご存じの「ポケモンGO」ですが、少し解説は必要かもです。「ポケモンGO」は、正確には任天堂のゲームではなく、米国のナイアンティックというゲーム会社のゲームでして、ナイアンティックが、任天堂と株式会社ポケモンと連携して開発したゲームです。なので、もともと「ポケモンGO」は米ナイアンティックのゲームなのですが、ナイアンティックが、米国のゲーム会社スコープリに売却した、というニュースになります。ちなみに、「ポケモン」も任天堂のゲームではなく、株式会社ポケモンのゲームになります。「信長の野望」が任天堂のゲームではなく、コーエーテクモのゲームである、ということと基本同じです。
下記の記事にもそのいきさつが詳しく書かれているので、参考にして頂ければと思います。米ナイアンティックは、必ずしもゲーム事業にコミットしているのではなく、もう少し大きく捉えていて、AR(拡張技術)のプラットフォームの構築を目指しているとのことです。
一大ブームを巻き起こした「ポケモンGO」を売却、なぜナイアンティックは手放すのか
世界における「日本ゲーム産業」の存在感
日経の記事によりますと、米スコープリーは今回の買収は、ポケモンGOなどの開発を引き継ぐことに加え、日本企業との連携を強めることが買収の狙いである、と説明しているようです。日本には、ゲーム分野で素晴らしいIPが多く、これを支える素晴らしい人財が大変魅力である、ということなんですね。最近ソニーの復活がよくニュースになりますが、この原動力はゲーム。ソニーゲーム事業の売上は約4兆6,700億円、ソニーグループ全体の3分の1を占める規模になっています。
「失われた30年」と言われる中、30年前のゲームの位置づけはどちらかというと「悪もの」の扱いだったと思いますが、世界を魅了する事業基盤を構築し、日本経済を下支えしているというのは、本当にすごいことだと思います。
日本ゲーム産業の特殊性 ~ガラパゴスになるな~
大変元気な日本ゲーム産業ですが、ソニーは「PlayStation」、任天堂は「Switch」と、専用機をベースとした事業展開がメインになっています。ですが、世界規模で見ますと、主戦場はスマートフォンで、パソコンゲームも大きな市場で、世界で見ると、専用機の市場はそこまで大きくないことが判ると思います。

2022年の世界ゲーム市場は4.3%減の1844億ドルとマイナスに ロックダウンに伴う成長後の調整局面 23年以降に再び成長軌道に
また、世界のゲーム企業ランキングでは、
1位:Microsoft(米国) 2位:Tencent(中国) 3位:ソニー・インタラクティブエンタテインメント(日本4位) 4位:Nintendo(日本) 5位:Sea Limited(シンガポール) 6位:NetEase(中国) 7位:Roblox(アメリカ) 8位:Electronic Arts(アメリカ) 9位:Take 2 Interactive(アメリカ) 10位:Aristocrat(オーストラリア)
となっています。1位のマイクロソフトは、XBOXを手掛けるものの、M&Aでパソコンゲームにも積極的に取り組んでおり、専用機をベースとしない企業が台頭してきています。昔、携帯電話の世界で日本がガラパゴス化(ガラケー)を思い出してしまいましたが、ゲームの世界では、大変難しいのはわかっているのですが、専用機の強みを維持しつつ、モバイル・パソコンゲームでも存在感を発揮するような、「二刀流」「三刀流」のゲーム産業の形成を、心から期待をしております。。
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