【実例あり】現場で実践!柔らかい経営理論 ~市場環境分析は3Cで十分~

柔らかい経営理論

私は中小企業診断士として、一通りの経営理論を学んできました(薄くですが。。)。皆さんも書籍や、会社の研修なので、経営理論を学ばれたことだと思います。皆さんどうでしょうか。使ってますでしょうか。使えてますでしょうか。そもそも使えますか?使えなく無いですか?と私はずっと思っておりまして。。

そこで、「現場で実践!柔らかい経営理論」と題し、私自身が、学んだ経営理論を柔らかく解きほぐし、現場で実践しているやり方をお届けしていきたいと思います。今回は、皆さん「市場環境分析」をされると思いますが、この「市場環境分析」をもっとシンプルに柔らかく捉えて、現場実務で使えるようにしませんか、というご提案をさせて頂きたいと思います。

世の中に色々とある「市場環境分析」

「市場環境分析」と言いますと、フレームワークとしては色々なものがありますよね。一般的に言われているものを纏めてみると、下記の4つぐらいでしょうか。

PEST分析:政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)で分析

5F分析:業界内での競争、業界への新規参入者、代替品の存在、買い手(顧客)の交渉力、売り手(サプライヤー)の交渉力、で分析

3C分析:顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)で分析

SWOT分析:内部をStrength(強み)、Weakness(弱み)で、外部をOpportunity(機会)、Threat(脅威)で分析し、加えてStrength(強み)×Opportunity(機会)など、内部 × 外部で分析

経営戦略の書籍などによると、まずはPEST分析でマクロ環境を分析し、5F船機で市場構造を明らかにする、その後3C分析で深堀し、SWOT分析を行い、機会×脅威で自社の事業機会を明らかにする、といった、とても重厚なお話になるケースもありまして。。そんなのやっていたら、めちゃ時間かかってしゃーない、ということだと思います。私自身も、一応中小企業診断士ですが、ここまで重厚にやったことは、約30年のサラリーマン人生の中で、一度もありません。。

聞き手は重厚な「市場環境分析」を求めていません

また、コンサルティングの世界でも、やたらと「市場環境分析」に20ページとか割いて、肝心の提案部分が薄味、という残念な提案書も見受けられます。市場環境分析で語る部分って、もうほとんど聞いて頂く経営者の方はご存じの内容ばかりなので、いまさら何なの感がとても強いんですよね。。ここにやたらと時間を割くぐらいであれば、他社の成功事例や、他業界で水平展開できそうな他社事例を盛り込んだほうが、よっぽどいいわけですよ。。

社内のケースでも同じだと思います。今後の事業の成長政略を提案するようなシーンで、市場環境分析をやたらと長く話しをしても、経営者からすると「そんなの知ってます」という話しなんですよね。。早く提案内容を聞かせてよと、、、となるわけであります。。

「市場環境分析」は3Cが最強で十分

今まで見てきたように、市場環境分析は「聞き手」と「話し手」にギャップがあるわけですが、私のこれまでの約30年のビジネス経験からすると、市場環境分析は「3C分析」が最強で、これで十分である、というのが私の実体験です。とにかくこの「3C分析」を数を重ねて使いこなして、普段使いできるようになることが、私達実務家としてのビジネスパーソンとしては一番効率的で、効果的だと思います。

後でも述べますが、市場環境分析で一番重要なのは、「顧客を観る」ことに尽きると思っています。政治環境や、新規参入の脅威を頑張ってみるよりも、とにかく「顧客=Customerにいかに迫れるか」にかかっているわけですね。これを一番強く意識できるのが「3C分析」になると思います。また、「競合=Competitor」と「自社=Company」も同時に見ているので、押さえておくべきポイントを抜け漏れなく見れる、というのも、3C分析の良いところです。また、なんといっても、シンプルで取組やすいことが、最大のポイントとでしょうか。

また、私は以前のエントリーで「全てを3で整理する」という話しをしておりまして、私は「3」が大好きなのですが、3C分析も「3で整理」されているところが、大好きであります(笑)。

「3C分析」をより効果的にするために、私は少しバージョンアップしてます

繰り返しになりますが、「3C分析、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)」は、極めて有効な市場環境分析のフレームワークですが、私はもう少し効果を上げるために、少しバージョンアップをしていまして、これをご紹介します。

こでは「顧客(Customer)」の部分の一工夫です。「顧客を観る」ことが重要という話しを前段でしましたが、「顧客」だけを見ていると、「市場全体」を見ているとは言えない部分があって、3C分析の「顧客(Customer)」が少しここがあいまいになっているんですね。ですので、私は「顧客(Customer)」の部分を「市場」と「顧客」に分けてアプローチしています。市場はMarketなので、本当は「4C分析」とか言えるとかっこよいのですが、、言えないので、言葉としては、「バージョンアップ3C」ぐらいでしょうか。。

では「市場」では何を見るかですが、ここでは「市場規模=推発」を見るようにしています。市場環境分析をしていて、顧客=Customerがこういう課題を抱えている、競合=Competitorはあまり強くない、自社=Companyのこの強みが活かせるとなると、完璧な3C分析なのですが、もし市場規模=推発が少ない場合、果たしてその市場を攻めることは適切なのでしょうか?逆にいうと、市場規模=推発が大きければ、少々競合がいたとしても、3番手、4番手で独自のポジションを築いて、したたかに生きていくこともできるわけですね。ですので、「市場規模=推発」というのは、全体の方向性を決めるのに大きなファクターになるので、「市場=市場規模」の考え方を入れて、4つの項目で市場環境分析をやっています。このやり方で、大きく外したことは一度もありませんし、こういうシンプルなフレームワークだと、あなたの部下にも指示をしやすいと思いますね。

また、ここで注意して頂きたいのですが、プレゼンなどで「市場環境分析ですが、3C分析をベースに行ってみました」みたいに、使ったフレームワークをわざわざ言う人が居られます。これは止めましょう。単純に、「市場環境分析ですが、市場・顧客・競合・自社で分析しました」でいいんです。専門用語・カタカタ用語を多用することを嫌う人は多いのと、これを言ったところで、何らプラス要素は無いんですね。。ですので、ここは注意しましょう。。

実例 ~ユニクロを「バージョンアップ3C」で分析・整理~

では、簡単な実例をして、ユニクロを「バージョンアップ3C」で分析・整理してみましょう。本当なユニクロはもっと精緻な市場環境分析を行っていると思いますが、、ここは実務家である私たちが「バージョンアップ3C」を使いこなすため、とお考えいただければと思います。。

まず「市場=Market」ですが、ユニクロは国内のアパレルの市場規模を見ていると思います。ここが伸び悩んでいることを認識していて、欧州、北米、アジア圏、オセアニアを中心に市場規模を見ていると思います。また、南米やアフリカの市場規模も見ていると思います。

次の「顧客=Customer」ですが、ユニクロは顧客を「カジュアルニーず」と「フォーマルニース」に分類して見ていると思います。加えて「インアーウェア」と「アウターウェア」のニーズにも着目して、ユニクロは「カジュアルニーズ」×「インナーウェア」を深堀し、これまで存在しなかった「デザイン・高品質・低価格」を実現して、成功したアパレル企業だと思います。下記のような整理でしょうか。

次に「競合=Competitor」ですが、国内では、最初は、カジュアルウェアの競合として「総合スーパーの婦人服売り場」を競合と見ていたと思いますが、今はもう衰退していて、国内にあまり競合が居ない状況でありますが、「しまむら」あたりが競合でしょうか。今のユニクロは「カジュアルウェアで世界一」が目標になっているので、ZARA、GAPあたりを競合と認識していると思います。

最後に「自社=Company」ですが、私は「人、モノ・商品、カネ・財務、情報・ノウハウ」で整理するのが取り組みやすいと思います。モノ・商品としては、デザイン・高品質・低価格を兼ね備えた商品開発を行うとともに、これを実現するために、情報・ノウハウとして、SPA(製造小売業)というビジネスモデルで事業を展開してしていますね。

また、これがとても需要ですが、最後にその時にニーズにあった「総括=要は何を言いたいのか」を入れるようにしてほしいです。結局はここになるので、市場環境分析で満足せずに、もうひと頑張りしてほしいです。私の経験では、実はここは最初からほぼ決まっていて、その理由付けのたけに、バックキャストで市場環境分析を行うケースも正直多いですね。。

こんな感じで、ユニクロを「バージョンアップ3C」で比較的簡単に良い市場環境分析できると思います。是非皆さんも試していただければと思います!

また、ユニクロについては、競争優位性について考えた、下記のエントリーもありますので、是非ご覧頂ければと思います。

最後に ~3Cを使いこなして「市場環境分析」を皆さんの武器に!~

私のブログで一貫した思想でありますが、経営理論を柔らかく捉えて、とにかく普段使いで使いこなしましょう!ということであります。市場環境分析も、色々な理論があることを勉強して知ることは重要なのですが、どうしても経営理論は「学者さんが机の上で考えた」という面がぬぐえないため、「私たちは使いこなせるのか」と考えると、少々苦しいものもあるのが実情です。私のこれまでの約30年のビジネスマン経験で培った。実務で活かせる経営理論をこれからも発信していきますが、是非皆さんも実際使ってみて頂き、使いこなせるようになって頂けると、うれしいです!

今回もお読み頂き、有難うございました。もし気に入って頂けましたら、是非SNSでのシェアを宜しくお願いします!

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