私もサラリーマンとしてとある企業に勤めておりますが、サラリーマンには「役職定年」がやってきます。「役職定年を超えて生き残る」ことを目指すこともありますが、豊かな経験を積み重ね、優れた経験を持つ方は、例え「役職定年」になったとしても、その後会社で重宝がられ、豊かなサラリーマン生活を謳歌されています。また独立して、継続輝き続ける方も多くいらっしゃいます。私がそんな先輩方に学ばせて頂きながら、自分でも実践しているメソッドを「サバイバル仕事術」と題し、実例を交えながらお届けしたいと思います。今回は「スピード最優先で」と題し、まずは「スピード優先で」物事考えて、進めていくことの重要性について、語ってみたいと思います。
「品質・レベル」と「スピード」のトレードオフ
「スピード優先」については、このブログを読んで頂いている方にとっては「そんなの分かってます!」ということだと思います。資料など、スピード優先で進めると、クオリティーが上がらない、ということがありますし、逆にクオリティーにこだわると、どうしても時間がかかってしまう、ということがありますよね。「スピード」と「品質・レベル」はどうしてもトレードオフの関係にあるのは事実なので、「スピード」について考えるには、ここからは逃げてはいけないと思っています。
時間をかければ「品質・レベル」は上がるのか?
ビジネスパーソンの皆さんも、ビジネスシーンでの自分の経験を考えて頂ければと思うのですが、私の場合は、時間をかけて「品質・レベルが上がる」かと言われると、あまりそういうことは無い、というのが実感であります。これは、ビジネスにおいて「何か絶対的な答えがあるではない」ということがあると思います。答えが一つではないので、時間をかけて「答えはAです」と言っても、ピンとがずれているということが往々にして起こります。
また、ビジネスにおいては「鮮度」が重要になってくるシーンが多いと思います。何かを検討して報告するシーンを考えると、時間をかけて何かを考えて報告しても、「旬」の時期が終わってしまっているということも、私の経験ではありますね。また、あまり大きな声では言えませんが、経営幹部は、結構自分の指示したことを「忘れてしまっています」。こちらが一所懸命に時間をかけて調べて、報告したとしても、指示したほうが「忘れている」ということが結構あります。。これは本当に不幸で、報告・資料として品質・レベルが高かったとしても、受け取る側の「旬が終わっている」ので、結局時間をかけても、品質・レベルが上がっていることにならない、ということが起こってしまいます。
時間をかけると「失う」ものがある
時間というのは難しいもので、「私の時間軸」と「相手の時間軸」が異なることが、本当に多いですね。「私の時間軸」で資料や報告の準備で時間をかけていると、相手からすると「遅い」となり、最悪の場合、「あいつは遅い」というレッテルを貼られて、「信頼」を失ってしまう、これが一番つらいです。。
これは対策を考えておく必要があるので、私がいつもやっていることをお伝えしておきます。「いつまでにやればいいですか?」と聞くと、少々「こいつやる気あるのか」と思われることもありますので、私は「なるはやでやるんですが、いつまでにしましょうか?」という聞き方をして、相手の時間軸をうまく確認するようにしています。頑張ってやる姿勢は見せつつ、相手の想定スケジュールは確認する。これは結構使えますので、皆さんも使っていてください。。
時間をかけすぎてしまうと、失うものがある、これは頭に入れて置いて損はない、と私は思います。
事例:「品質・レベル」と「スピード」をどう両立するか
ここからは、具体的にどうするかなのですが、私のこれまでの経験で行くと、「スピードを優先し、品質レベルは少し目をつぶる」というのが、今の私の考えです。もう少し言いますと、「中途半端な報告をする私を許す」ということなんですね。「私は完璧な人間ではない」、という前提で事を進める、ということだと思っています。ここから2つの事例・考え方を書いてみたいと思います。
事例1:複数案が想定され、一つに絞れないシーン ~設備投資など~
検討・報告で時間がかかるシーンの一つとして、「複数案が想定され、一つに絞れない」というシーンがあると思います。わかりやすい例で言うと「設備投資を考える」シーンがあると思いますが、建屋を立て替えるか、設備選定をどうするか、全て自前でやらずに一部は協力会社に外注するか、など色々な要素があって、どれも一長一短ある、そんなシーンがあると思います。とても複雑になってしまうんですね。このような場合、皆さんは是非「自分達だけで結論を出す」のではなく、案1、案2、案3と3つまで整理し、メリットデメリットを纏めて、「相談させてほしい」というスタンスで資料を纏めて、報告してしまって下さい。何か方向性を出さないといけないのであれば、「確証はまだ無いのですが、私たちはこの案が有力だと思う」というレベルで見解をつけるのはいいと思います。ここで重要なのは、一つに絞り込むのに時間をかけてしまい、報告が遅れるということは、避けてほしいと思います。時間をかけて一つに絞っても、経営幹部の意向とは異なる場合も往々にしてあります。「相談させてほしい」というスタンスは、私に経験では、経営幹部もそこまで嫌いではないと思います。下記のようなフォーマットで案を3つぐらいで整理し、早く報告に持ち込みましょう。
私の経験ですが、ずるい考え方なのですが、この報告手段を使うと、「あいつは頭の中が整理されている」と言われがちです(笑)。自分で最終判断せずに、スピード優先で進めているだけなんですけどね(笑)。少々するいかもですが、皆さんも是非この考え方を多用してほしいと思います。
事例2:不確定要素が多く、ちゃんとした実行計画が書けない
もう一つの事例として、何かのテーマの実行計画を考えるようなシーンをあげたいと思います。こういう場合、やらないといけないことが一杯あって、非常に複雑になることがあると思います。また、実際うまくいくかどうかわからないので、不確実性が高くて、うまく整理できない、ここを整理するのに時間がかかってしまう、ということが私もあります。
こういう場合、完璧なものを求めるのはやめて、「STEP1、STEP2、STEP3」と、3つのステップに分けて、ザクっと整理することを是非やってほしいと思います。
新規事業の実行計画を考えるような場合、まあそう簡単にはうまくいきませんよね。この場合は、STEP1として、共同で立ち上げるパートナーを探し出し、手弁当でPOCでの実証から入ることでしょう。ここでの確証を得たら、STEP2として、少々に設備投資を実行して製品レベルを供給可能な体制を整備してスモールスタートしながら顧客開拓、そしてSTEP3として、体制を強化し、本格的な生産体制を整備し、本格展開へ、という感じでしょう、ほぼこれで説明がつくような気がしますが、完璧な実行計画は目指さず、下記のような3つのステップで整理し、早く報告に持ち込みましょう。
また、これは私の経験で、少々ずるい考え方なのですが、新規事業などで資金調達をするシーンで、この「3STEP」で整理すると、結構「こいつちゃんと地に足がついているな」と思われがちです(笑)。会社の昇格試験でも、これは非常に有効で、「こいつはちゃんと考えている」と思われがちです(笑)。カチッとした事業計画を作るのを保留しているんですけどね(笑)。是非皆さんも活用してほしいと思います!
また、今回もそうなのですが、私は色々なビジネスシーンにおいて、「3」で整理することを本当に多様していて、概ね成功していると思います。それについて書いているエントリーが下記で、資料作成のやり方の中で、「3」で整理することの良さを書いていますので、是非ご覧頂ければと思います。
最後に:とにかく「スピード優先」で ~「あいつは早い」の威力~
ここまで「スピード」について考えてきましたが、完璧を目指さず、中途半端な状況で怖がらず報告し、スピード優先で進めて頂きたいと思います。この考え方を継続すると、「中途半端」のレベルが段々上がり、だんだん「中途半端」じゃ無くなってくると思いますので、「品質・レベル」と「スピード」のトレードオフが少しづづ改善され、両立できるようになると思います。またこれも私の経験ですが、このスピード優先を継続していって、会社の中で「あいつは早い」という評価を受けるようになると、これは本当に威力があります。少々品質・レベルが低くても、許されることが多くなってきます(笑)。
是非皆さんも、サバイバル仕事術としての「スピード優先」を実行してみて下さい!
今回もお読み頂き、有難うございました。もし気に入って頂けましたら、是非SNSでのシェアを宜しくお願いします!
コメント