私は中小企業診断士として、一通りの経営理論を学んできました(薄くですが。。)。皆さんも書籍や、会社の研修なので、経営理論を学ばれたことだと思います。皆さんどうでしょうか。使ってますでしょうか。使えてますでしょうか。そもそも使えますか?使えなく無いですか?と私はずっと思っておりまして。。
そこで、「現場で実践!柔らかい経営理論」と題し、私自身が、学んだ経営理論を柔らかく解きほぐし、現場で実践しているやり方をお届けしていきたいと思います。今回は、今後やり方をお伝えしていく前提として、経営理論はとても難しい・難しすぎることについて、私が考えることを語ってみたいと思います。
なぜ経営理論は難しすぎるのか
経営理論というものがどこから生まれたかを考えると、大学やコンサルティング会社が多いのかな、という印象がありまして、どうしても「学問的」な印象が強いですよね。日本には約4,2百万社の会社があるそうですが、そのうち大企業が約1.2万社で全体の約0.3%とのこと。世の中の「経営理論」の多くはこの大企業向けの理論、という印象も強いのが実情だと思います。企業数全体の約99.7%を占める中堅・中小企業を想定した「経営理論」があると良いのに、といつも思っています。また「経営理論」は、経営幹部や、本社の経営企画部門を想定した理論となっている印象も強く、私たちフツーのサラリーマンが現場・実践で使いこなすに若干ハードルが高い印象があるんですよね。。
これもある意味仕方がないところもあります。皆さん書店に行って頂くと、ビジネス書の新刊が数多く平積みされていると思いますが、もう既に知られた、当たり前のの「経営理論」の本って、書籍化されないですよね。。ですので、何とか新しい切り口を見出そうとしている印象があります。一部にはかなり強引にカタカナのオンパレードのようなものもあり。。これらが現場で実践できるか。。どうでしょうか。。私はできません。。。
料理の世界では ~「ミシュラン3つ星」もあれば「町中華」もある~
料理を事例に見てみたいと思います。皆さんも中華料理がお好きだと思いますが、東京の銀座などにあるミシュラン3つ星の高級店もあれば、皆さんがお住まいの地域の駅前にある、創業50年を超えて地域に愛され続けている「町中華」もありますよね。お客さんの利用シーン・ニーズにあった中華料理の世界があり、どちらも立派に「おいしい」と成立しているし、料理を通じて幸せを提供できていると思います。「経営理論」にも、「町中華」的な考え方があっても良いのでは、と私は思っています。
また、書店で料理本のコーナーに行ってみて頂きたいと思うのですが、高級料理のレシピ本よりも、「家庭料理」「おふくろの味」など、身近な家庭での料理のレシピ本が圧倒的な数を占めているのではないでしょうか。「経営理論」でも、「現場で実践できるおやじの味?」的なものがもっとあってもいいのでは、と私は強く思っています。
中小企業診断士として ~中小企業では「経営理論はかみ砕いて」~
私は中小企業診断士として、中小企業のご支援をさせて頂くことがありますが、中小企業において、「事業ポートフォリオ変革が重要」「イノベーションが必要」「サプライチェーンの再構築を」のような、カタカナ経営理論でまくし立てたらどうなるか。。想像頂けますよね。中小企業の実態として、例えば新分野に進出しようとして、その世界に精通した人員を新たに雇用するとすると、その方の人件費で一気に赤字転落。これを避けるために社長の給料を大幅に削らないといけない(無給になることも)。。そんな状況なんですよね。。こういう厳しい環境・状況にある中堅・中小企業にとっても、実際使って頂ける「経営理論」があって欲しい、と強く思います。
事例:「環境分析」について考えてみます。
皆さんも「環境分析」に取り組まれる方も多いと思います。「環境分析」に関する経営理論として、下記のようなものがありますね。
・PEST分析:Politics(政治)Economy(経済)Society(社会)Technology(技術)
・5F分析:競合他社の脅威、代替品の脅威、新規参入者の脅威、買い手の交渉力、売り手の交渉力
・3C分析:Customer(顧客・市場)、Competitor(競合)Company(自社)
・SWOT分析:Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)
環境分析の全体を俯瞰している記事として、下記は良く整理されていると思いますので、余裕がある方向けとして、乗せておきます。ただ、私的にはちょっと高級すぎるかなと。。
私は、環境分析に関しては「3C分析で十分」と考えています。上にも書いていますが、私は少しアレンジを加えていて、最初のC(Customer)のところは、「市場」「顧客」と2つの視点で見てまして、「市場」は市場全体をざざっとみる、「顧客」は顧客のニーズを深堀する、という感じで実践しています。これで行くと、実は「3」ではなく、「4」なのかもしれません。。これで十分かなと。逆に言うと、これだけは外せない、と思っていまして、概ね成功していると思います。この「環境分析」については、改めて詳しく記事を書きたいと思っています。
柔らかい経営戦略 ~現場で実践してなんぼでしょ~
ここまで「経営戦略は難しすぎる」という話しをしてきましたが、経営幹部で無くても、本社の経営企画部門で無くても、現場レベルでの実務者にためになる視点を与えてくれるのも事実です。ですので、「難しいので私は関係ないや」と横に置いてしまうのは、大変残念であり、もったいないんですね。
そこで私は、現場で実践できる経営理論を私が勝手に「柔らかい経営理論」と呼んでいまして(笑)、私個人が現場で実践しています。このブログでこの「柔らかい経営理論」をご紹介させて頂き、皆さんの現場・実務で少しでもお役に立てればと思っています。
最初にはっきり申し上げさせて頂きます。目新しい経営理論は出てきません! 「柔らかく考えて、現場実務で使いこなす」これが「柔らかい経営理論」の根っこにある考え方です。
今回もお読み頂き、有難うございました。もし気に入って頂けましたら、是非SNSでのシェアを宜しくお願いします!
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