このブログでは、「柔らかい経営理論」「競争優位性の研究」「サラリーマンサバイバル術」など、ノウハウ・メソッド的な内容をお届けしていますが、毎日のニュースの中で、私が気になったニュースを軽めにお届けし、皆さんの雑談のネタにして頂ければと思い、今回からスタート致します。
博報堂、スター社員をAIに 思考なぞり、企画を洗練、業務削減効果4,000時間 (日本経済新聞朝刊 2025年6月5日)
博報堂のスター社員で、チーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)の細田高広さんの思考をなぞる「細田AI」を開発し、広告の現場で使いこなしている、というニュースでした。顧客企業が抱える課題を読み込ませると、細田さんの発想法をベースにAIがターゲットやインサイトの候補3つを生成、博報堂が持つ生活者観測データや競合ブランドなどの情報を整理し、10の基本構文に沿って文言の完成度を向上。イラスト付きのコンセプトシートまで出力する、というものとのことです。
博報堂のクリエイティブにおける生成AI活用については、Forbesの記事「社員の「秘伝のタレ」は、AIでもっと旨くなる。博報堂DYグループが描く新マーケプラットフォーム」に詳しく書かれています。こちらも是非ご一読頂ければと思います。
「生成AIをどう使うか」の私が考えていること
この日経記事は注目度も高く、皆さんコメントされているのですが「クリエイティブが売りの会社はこんな方向に行っていいのか」「こんなことしたら、どれも同じ企画になって、電通に負けるのでは?」など、批判的なコメントも多く見られました。
私は、仕事でもブログでも、生成AIの活用を始めています。どう使っているかというと、何か調べたいことを自動的に出してもらうようなこともありますが、私が一番いいなと思っているのは、「生成AIと対話する・議論する」という使い方であります。
例えば、ある新しい技術があって、特許を出願しているのですが、この特許を使い、いかに市場で競争優位性を確立していくか、こういうお題について、技術や知財の内容を生成AIに伝えて、まるで話しかけるかのように長文のプロンプトを書き、それに対して生成AIが回答してくれて、そしてまた私が会話形式でプロンプトを書き、、みたいなことを繰り返す中で、自分だけでは作り上げることができないレベルの施策が出来上がってきます。一人で会議をやっているようなイメージですね。私は生成AIに対し、結構無茶な要求もします。これを部下や同僚にしたらブチ切れるかもというレベルの要求も(笑)。
こういうのを「生成AIと壁打ち」と表現したりしますね。下記の記事が結構面白いです。 「壁打ちしたいけど相手がいない」を解決!生成AIに壁打ちする活用術を紹介
最後に ~「良い問い」が問われる時代に~
自分で生成AIを使っていると、便利すぎて、生成AIに依存していると、本当にダメ人間になってしまうのでは、という恐怖すら感じることがあります。ではありますが、ビジネスマンとして「最良のアウトプット」を出すことを考えると、自力で生み出すよりも、生成AIとの対話・議論で生み出すほうが、相当レベルは高くなる感覚です。これが当たり前になってくると、私たちビジネスマンは「いかに良い問いを立てるか」ということが、益々求められてくるのでは、と感じます。つい、自分で手に負えるかという「自分の範囲内」で考えがちですが、この範疇を超えて、少々無茶でも「問いを立ててみる」という、背伸びした思考が、常に自分に課していかないといけない、という気がしています。これはこれでプレッシャーになりますね。。。
今回もお読み頂き、有難うございました。もし気に入って頂けましたら、是非SNSでのシェアを宜しくお願いします!
コメント